葬儀における服装のマナー
葬儀の場における服装には、故人様への敬意や遺族への配慮が込められているとされています。日本では伝統的に「喪服」が推奨されていますが、最近は家族葬の浸透で多様化が進み、基本的なマナーを押さえておけば良いとされています。以下、一般的な葬儀における典型的な服装とその背景、目的について説明します。
1. 葬儀の服装の基本
葬儀では、昔から黒の喪服が最も良いとされています。 喪服は「礼服」にあたり、正式な場で着用するものです。 男性も女性も、地味でシンプルなデザインが好まれます。
男性の服装
スーツ:黒無地のシンプルなスーツを着用します。ビジネス用の黒いスーツでも問題はありませんが、できる限り光沢のない素材のものが適しています。
シャツ:白無地のワイシャツを着用します。ボタンや装飾は目立たないものを選びましょう。
ネクタイ: 黒無地のネクタイが基本です。柄入りの派手なネクタイは避けます。
靴:黒の革靴を履き、靴下も黒を選びます。靴はきれいに磨いておくことが大切です。
女性の服装
ワンピースやスーツ: 黒のシンプルなワンピース、またはスーツが基本です。膝が隠れる長さが望ましく、袖の長さもそれなりに長いものを選びます。短すぎるスカートや露出の多いデザインは避けましょう。
装飾品:指輪やパールのネックレスなど、控えめなデザインなら問題ありませんが、派手な装飾品は避けます。
靴・バッグ:黒のシンプルなパンプスやローヒールを履き、バッグも黒の無地で光沢のないものが良いです。
2. 夏の葬儀における服装
夏の服装のポイント
昔は暑い季節でも葬儀の厳粛さを守るため、露出を避けた服装を我慢することが求められていました。しかし最近は、特に家族葬の場合はそれほど気にし過ぎることはないとされています。近年は気温が非常に高くなってきているため、適度にマナーを守りつつも快適さにも気を配ることが重要です。
男性
ジャケット:夏用の軽量素材や通気性の良い素材を選ぶと良いです。体温調節が難しい場合は、式場の中では軽く羽織り、必要に応じて脱いでも良いです。
シャツ:半袖のシャツは避け、薄手の長袖シャツを選びます。
インナー:汗対策として、吸湿性の高いインナーを着用するのも良い工夫です。
女性
ワンピースやスーツ:夏用の軽量素材を選ぶと良いですが、袖やスカートの長さは必ず守りましょう。 。
ストッキング:女性の場合、夏でも黒または肌色のストッキングを着用します。素足はマナー違反とされています。
扇子や日傘:会場に入る前には、派手な色の扇子や日傘は使用を控え、黒やグレーの落ち着いた色などを選ぶと良いです。
3. 冬の葬儀における服装
冬の服装のポイント
冬は寒さ対策が必要ですが、マナーを忘れないためにコートや防寒具選びにも気を付ける必要があります。
男性
コート:黒や濃紺のシンプルなコートを選びます。ダウンジャケットなどカジュアルすぎるものは避け、シンプルなウールコートなどに適しています。
マフラーや手袋: マフラーや手袋も黒や暗めの色が良いです。会場内に入る前には外し、手に持っておくかバッグにしましょう。
インナー:手の厚いインナーや防寒用下着を身に着け、寒さを和らげる工夫をします。
女性
コート:黒やグレーの落ち着いた色合いのコートが適しています。毛皮や派手なデザインのものは避け、シンプルでフォーマルなデザインを選びましょう。
タイツやストッキング: 寒さ対策として、黒のタイツや厚い手のストッキングを着用しても問題ありません。冬でも足元をきちんと整えることが大切です。
ブーツ: 雪や雨の影響でブーツが必要な場合は、会場でフォーマルな靴に履き替えられることができるよう準備しましょう。
4. その他の注意点
アクセサリーや小物
葬儀では、極力装飾を控えることが基本です。 特に、金や銀のアクセサリーは派手なことがあるため避けた方が良いでしょう。 なお、女性の場合は故人様への哀悼を象徴する真珠(パール)を着ける方が多くいらっしゃいます。その理由は、真珠は清楚で上品な印象を与えつつ、昔から真珠は「涙の象徴」とされ、遺族へのお悔やみを表すのに使用されます。
香水やメイク
香水は、故人や他の参加者への配慮から、強い香りは避けるべきです。 また、女性のメイクも控えめにし、ナチュラルメイクに決まるのが一般的です。
5. まとめ
葬儀は故人様やその家族に最大限の配慮をするため、服装や装飾品には十分な配慮が必要です。一方、マナーやルールに縛られ過ぎるのもご家族に気を使わせてしまう一因となる場合があります。
また小規模な家族葬の場合は、ご参列者全員で意識を合わせることで不要なトラブルを避けることができます。夏は暑さ対策、冬は寒さ対策をしっかり行いながら、その場に合わせた適切な準備を心掛けましょう。
株式会社 広島市民葬儀
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